学校に作業療法を──「届けたい教育」でつなぐ学校・家庭・地域
本が出来上がりました。多くの方のご協力の元出来上がった本をご紹介します。
Part1 子どもたちは,必ず元気に育つ
実践事例を通した学校作業療法の紹介です。
学校に作業療法を届けると,どんな花が咲くんだろう。子どもと先生と親が紡ぐストーリーをお届けします。
学校作業療法をやりたい!と思っているOTの皆様には,ケースを通して疑似体験できると思います。
ケースの関係者の方のご協力と,丁寧に真心込めて関わった担当OTたちの思いを感じ取れる内容になっています。
Part2 作業療法を届けようと思ったきっかけと出会い
学校に作業療法を…その道程ははじめからスムーズだったわけではありません。
医療から地域へ,教育と福祉の連携,作業療法の認知度
様々な課題をたくさんの人に支えられて歩んでいった道のりをまとめています。
これから地域に!これから学校に!
そう願っているOTや専門家の方へ,一つのルートとしても貢献できればと思っています。
Part3 「届けたい教育」の視点
[教育×福祉]
こどもの生活に重要なそれぞれの専門がどうしたらぶつからずに協業できるのか。
[家庭×学校]
どうしたら安心してチームを組めるのか。
学校現場で起こる様々な問いに,
先生が自信を持って教育ができることをコンセプトとして,作業療法を切り口に書きました。医療を飛び出し地域という地に足をつけた取り組みをするときに,私がとても学ばせていただいた視点でもあります。
短くまとめた実践事例を織り込んでわかりやすくまとめました。
Part4 協働関係を築く目標設定
チームづくりにいちばん重要な面談。
Why 何のために目標設定するのか?
What 目標とはなにか?
How どうやってチームづくりのための目標設定をするのか?
これはよく講演会でも話す内容で私たちが最も力を入れている取り組みです。
説明+図解+ケース でまとめました。
可愛いイラストがやれるかも!と誘ってくれます。
Part5 チームで叶えるための情報共有
『子どもがその子の教室で期待されている活動ややりたいことができる(作業遂行)』
どうやって叶えていくんだろう?ということが手に取るようにわかります。
作業療法士の得意とすることでもありますので,「作業療法士ってなんだろう?」ということも実践を通して分かる内容になっています。
問題行動 ➜ 可能性の引き出し方
視点を変える情報の見方がわかります。問題が可能性の引き出し方に変わるのならば,私たちが社会問題として悩んでいることにも安心して向き合えるかもしれない。
そんな可能性についてもまとめました。
Part6 地域に伝える力
地域に作業療法を伝える
私には多くのお手本となるOTの皆さんがいます。
そんな私が尊敬する作業療法士と共に,
地域に伝えるために私たちが大切にすべきことをまとめました。作業療法士にかかわらず,地域と連携していきたいと感じている方の心に多くのヒントをお届けできると思います。
また現場より校長先生,教頭先生,園長先生の声をお届けします。
「作業療法がいいかどうかはクライエントが決める」
地域のニーズを知ることができます。
Part7 学校訪問システムとOTの人材育成
沖縄には学校に作業療法を届ける取り組みを支えてくださる多くのプロフェッショナルがいます。
私とゆいまわるが多くの影響を受け育てられた素敵な方々とともに,沖縄県での先進的な取り組みについてお伝えします。
琉球大学で今年度(30年度)行われた公開講座+インクルーシブ教育推進OT育成講座
その目的と取組を宮里大八先生(琉球大学特命准教授)がまとめてくださっています。
学校作業療法を展開する上で欠かせない他職種連携。本村真先生(琉球大学教授)がまとめてくださいました。
特にスクールソーシャルワーカーやカウンセラーとの連携に対して作業療法士が期待されることがまとめられています。
学校にうまく入れない・・・
専門家同士どう付き合えばいいんだろう・・・
そんな悩みにKeyとなること満載です。
南風原町こども課の前城充課長に出会い,行政の力の凄さを学びました。
地域と作業療法が一体となって地域そのものを健康にする取り組みを図解で説明してくださっています。
地域からの作業療法士へのメッセージとしても大変熱く届く内容です。
最後までありがとうございます。
書店で出会えない場合はこちらよりお問い合わせください。
http://www.creates-k.co.jp/books/
ご協力いただきましたみなさまへ-----------------
この本を通して学校と家庭と福祉のチームアプローチに少しでも貢献できることを願っております。
また、私自身も支えられてここまで来ました。これから先,作業療法士が地域に出ていくきっかけと支えになれればと思っております。
そのためにも,作業療法士の視点だけが先行した内容ではなく、このように多くの立場の方から現場の意見として、作業療法と教育の連携の重要性を示していただいたことは大変貴重でありました。本当にありがとうございます。
今後、未来を築く大切な子どもたちが、生きていく地域づくりにつながることを願っております。
2019年1月31日
仲間知穂